”Cosmic Cowboy”




JR舞子駅から舞子多聞線と呼ばれる道を北へ2キロほど行くと、
道はやや緩い上りから大きく右にカーブする。
そのカーブを曲がりきった辺りの左手にコンビニがあり、
その横に入り口のある50台ほどは置けそうな駐車場の奥にビルが見える。

色んなお店が入ったこのビルは舞子坂シティといい
1階には広いレンタルビデオ店とエスニック・レストランがあり、
その間に階段への入り口がある。
夜にはここにその日の出演を知らせる看板が立つ。

階段を下りて地下1階の一番奥に
星条旗の上に”Cosmic Cowboy”と書かれたドアがある。


重たい鉄のドアを引いて入るとこれも防音対策のためか、
さらにガラスのはまった木製のドアがもう一枚ある。
中に入ると、カウンターの中から、元気のいい声が飛んでくる。
マスターのGonさんと奥さんのAikoさんだ。
室内は、木を生かしたC&W調の内装でカウンターとテーブル席がある。


いつものようにカウンターの前に座ると、
目の前の棚には、バーボンやウィスキーの壜とともに
CDやリボルバーの付いたモデルガンや貼り付けられたドル紙幣があったり、
少し上にはテンガロンハットの掛かったバッファローの角、
さらにその上にはギターが数本吊り下げられているのが目に入る。
カウンターの上には釣り好きのGonさん、ワンちゃん好きのAikoさんの
思い入れの感じられるものも置かれている。


入り口の横がステージで、照明をはじめ
ドラムセットや各種アンプから、PAまで必要充分な機材が設けられ
ライブ演奏に備えられている。


キャパシティは大きいとは言えないが、
返ってそれゆえに、プレイヤーの息づかいが分かるライブが味わえ、
また、訪れるプロ・ミュージシャンの中には客席の中で
膝を突き合わせた演奏をする人も居たりして、
ここならでのアット・ホームなライブが聞けることもあるという。


マスターのGonさんは元プロのミュージシャンで、
C&Wのシンガーだった奥さんのAikoさんとは音楽を通じて知り合ったとのこと。
今も、ソロでの弾き語りや、自身のバンドGon’s Bandと平行して、
Aikoさん参加のG−JAMKでも演奏活動を続けている。

このお店のキャラクターの半分(いや半分以上?)を占めるのは、
Aikoさんの明朗なお喋りだと私は思っている。
いつも元気で明るく接するAikoさんに励まされる人は多いんじゃないだろうか。
シャイで男らしいGonさんとは好対照で、まさに絶妙のコンビネーションである。

年季の入った渋いプロ・ミュージシャンが来演する一方、
地元のアマチュア・ミュージシャンたちにとっても
格好の演奏の場となっているこのお店は、
聞けば、あの阪神大震災を契機に、
永年Gonさんが胸の中に仕舞っていた思いを
実現させて出来たお店だということだ。
私自身も、バンド活動を再開しようとした心の背景には
大きくあの震災が影響していたので、Gonさんの思いには大いに共感した。

そして、今年’02年7月13日には、神戸のチキンジョージにて7周年記念ライブが行われた。
Cosmic出演中のお馴染みの面々が心から7周年を祝う熱い演奏を聞かせてくれた。

偶然にもこのお店を知り、
ニール・ヤングやカントリー・ロックが大好きだというGonさんと意気投合し、
挙句の果ては毎月のライブまでさせて貰えるようになったのは、
何とも、嬉しく有り難いことで、
今はこのお店が、末永くその歴史を刻み、
より多くの音楽好きの人たちから愛されるようになることを
心から願っているのである。

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追記・・・ホーム・グラウンドだったコズミック・カウボーイも’03.7/31を以ってその歴史を閉じた。(’03,8/30)





                                         Cosmic Cowboy


                                       
神戸市垂水区舞子坂4−1−7 舞子坂シティ B1

                                                
Tel.& Fax.078−782−7263

                                            
http://cosmic-cowboy.net/




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